フランチャイズに加盟するなら、より有名なブランドで、確実に成功できる本部を選びたいと考えている方も多いでしょう。日本を代表するユニクロは、日本国内に800店舗ほど、郊外に1,800もの店舗を展開する日本を代表するアパレルブランドです。
フランチャイズに加盟しようと考えている方にとっては、これほど有名な本部にフランチャイズ加盟できることはかなりの魅力となるでしょう。
そこで、今回は、ユニクロがどんなブランドで、どのようにしてここまで有名になったのか?そして、今後の販売戦略やフランチャイズ加盟の募集状況などについて解説していきます!
ユニクロのフランチャイズに興味がある方や、ユニクロの戦略に学びたいと思っている方も参考になると思いますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
ユニクロってどんなブランド?
ユニクロは日本におけるファストファッションの代表的存在。ブランドを代表するアイテムはヒートテック、エアリズム、フリース、パーカなど、機能性豊かなアパレルを数多く展開しているのが特徴です。
そんなユニクロがめざしているのは、人々の生活をより豊かに、より快適にする究極の普段着。その名に恥じることのない素敵なアイテムを世界中に提供しているブランドです。
とくに、毎年スタンダードな商品をアップデートしているのが特徴。去年のモデルと見比べてみてもシルエットの変化や機能性への追求など、時代に合わせつつも定番色の濃い商品を展開しています。
また、卸売りをせず自社で製造販売までを担うことで、コストパフォーマンスに優れたアイテムを販売することが得意です。ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングの売上は、日本のアパレルブランドでは堂々第1位の2兆1,000億円と、目を見張るものがあります。
ちなみに、2位のしまむらは5,800億円、続いて3位はグローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファーム、などを展開する、アダストリアの2,000億円です。
見て分かるとおり、ユニクロは他の追随を許さないダントツの売上高になっています。
上記は国内での売上ですが、世界的に見てもトップブランドといえます。
1位はZARAで3兆5,800億円2位はルイビトンを筆頭にさまざまな高級アパレルを展開するH&Mで2兆4,100億円、その後に、日本を代表するファーストリテイリングが2兆1,000億円で3位の売上高を誇ります。
ユニクロの誕生と発展
ユニクロの歴史はユニーク・クロージング・ウェアハウスというカジュアルウェアの小売店をオープンしたところから始まります。
「10代の子供たち向けの流行に合った低価格のカジュアルウェアを提供できないだろうか?」
というコンセプトのもと、いつでも服を選べる巨大な倉庫という意味も込めてユニーク・クロージング・ウェアハウスは始まりました。
店名が長く覚えにくいのでは?とのことから名前を縮めてユニ・クロになりその当時のロゴはUNICLOです。
香港にて合併で商品のバイイング会社を設立しようとしたとき間違ってUNIQLOとQとCを誤って登記してしまったことでUNIQLOに名前が変わったことは有名な話。
1998年の原宿店オープン記念の目玉商品としてフリースを販売し、安価で品質の高い商品が認知され大躍進を遂げました。目玉商品のフリースのお値段1,900円と、信じられない安さでした。
ユニクロの創業者とはどんな人?
ユニクロの創業者、柳井正さんはジャスコ現イオンリテールを経て父親の経営する小群商事に入社。ユニーク・クロージング・ウェアハウスのオープンをきっかけに社長に就任しました。
オリジナル商品の開発に取り組み、フリース販売をきっかけに大成功を納め、現在のファーストリテイリングを作り上げたのです。
ここでは、日本から世界的ブランドを作り出した巨匠、柳井正さんについて、名言を交えてご紹介していきます。
「人生で1番悔いが残るのは挑戦しなかったこと」
柳井正さんの言葉の中で多く見られるのが、「やってみないとわからない」というワード。出来ないからと諦めず、できる人になるために行動をするという、強い意志が感じられる言葉です。
結果的に、この創業者の志もありユニクロは全国展開、さらには世界展開まで成功しました。自身の目標に挑戦し続けた結果が成功を生み出したといえるでしょう。
「ユニクロで1番発言力のある人、それは社長ではなくお客様」
事業において重要なことは、お客様のニーズや不満を見逃さず心を掴むこと。お客様目線を忘れずに高品質なアイテムを提供し続ける柳井正さんらしい名言です。
ジャスコ就職後、1年で退職して山口県の実家が営む洋服屋で働いていた彼は、従業員の働き方やシステムの非効率さにギャップと危機感をおぼえました。そこで、従業員の教育やシステム、そして商品を徹底的に見直したようです。
そういった過去を持つ彼ならではの視点が描かれているといえるでしょう。
誰よりもストイックな人物
社長である柳井さんは未だにユニクロの全アイテムをチェックしているそうです。販売前のアイテムをプレゼンして、その良し悪しを柳井さんがジャッジしています。
また、お酒は飲まず、飲み会は極力避け、自宅に直帰してジャズを聴いて本を読むのが日課のようです。そこまでのストイックさを維持できるのも、彼の強みでしょう。
常に勉強を怠らず、お客様と向き合ってきたからこそ、フリースに始まりヒートテック、エアリズム、プルパーカなど、数々の名作アイテムを作り上げることができたのです。
ユニクロが選ばれる理由
ここからは、そんな柳井正さんが創り上げたユニクロの魅力についてご紹介していきます。
ユニクロが選ばれる理由:①素材
ユニクロはカシミア、プレミアムリネンなど様々な高級素材を使っており品質において量販ブランドの中でもトップです。素材に優れた商品が多くコスパ破壊のブランドと言えます。
ブランドによっては数万円するカシミアセーターですが、ユニクロでは12,900円で販売。社会情勢もあり値上げはしているものの、依然として魅力的な価格である点は変わりません。
また、世界有数の産地から厳選し、人の目によって選別しているため品質が高いと評判です。
また、シャツに使われるリネンにおいても、最高峰とされているヨーロピアンリネンを使用しており、なめらかな風合いと上質な光沢がある仕上がりが特徴です。
天然リネンは一つ一つ繊維の太さが不揃いで、生地の織りや糸の撚りで繊維の塊が発生してしまう素材でもあります。
ユニクロでは、生地の段階から完成するまでの工程で、人の手でひとつずつ取り除いています。ここまでの手間がかかっていながら2,900円という価格設定は、究極のコスパといえるでしょう。
ユニクロが選ばれる理由:②デザイン
ユニクロには、目まぐるしい変化を続けるライフスタイルや社会、カルチャー、時代を捉え、技術革新を駆使して常に人々が求める新しいスタンダードを目指す服というコンセプトがあります。
10年以上販売士続けているフリースやパーカにおいても、全く同じものはありません。時代に合わせてわずかなマイナーチェンジを必ず毎シーズンしています。トレンドを押さえて調整を細かく行うことにより高品質のアイテムを提供しているのが魅力です。
また、UNIQLO Uや+Jなどのデザイン性の高い商品と、独自の機能性を合わせた、破壊的なコスパを実現するのも、ファンを魅了するポイントでしょう。
ユニクロが選ばれる理由:③豊富なサイズ展開
サイズ感は基本的にジャストサイズに設定されています。ユニクロではXSから4XLまで、豊富なサイズ感で体型問わずアイテムを選べるようになっており、お客様を選ばず、どんな方でも安心してお買い物を楽しむことが可能。
トレンドライクに着こなしたいならサイズアップして着るなど、ひと工夫が必要ですが、カラーも豊富なのでシンプルながら差別化出来るのが魅力です。
ユニクロが選ばれる理由:④機能性の高さ
ユニクロの機能性アイテムと言えば、防風アウターフリースジャケットやヒートテック、エアリズムなどさまざま。
シーズンごとに明確な機能性を前面に押し出しており、思わず手に取ってしまう魅力的な商品が豊富なのも見逃せません。また、一度経験するとほかには戻れないほどの快適さはいうまでもありませんね。
ユニクロの豊富な機能をご紹介!
ここまで、ユニクロの魅力についてまとめてきました。すでに、機能性については簡単に触れましたが、ユニクロを語るうえでは、この機能性というのが重要なポイントです。
そのため、ここからはユニクロ独自の魅力的な機能を代表する2つについて解説していきます。
- エアリズム
- ヒートテック
エアリズム
高機能で春夏に特化した高機能インナーです。空気のように軽く、着ていることさえ忘れてしまうような心地よさを作り出し、空気のリズムを整えるがコンセプトで老若男女問わず人気なアイテムになっています。
着用した瞬間から心地よい冷たさで、汗もすぐに吸い取って乾きやすく、ストレッチ機能もあり防菌防臭機能付き。
夏にTシャツ1枚で着用するのではなく、インナーにエアリズムを入れておくと快適になるのでオススメです。
ヒートテック
ヒートテックはユニクロが誇る秋冬用の高機能インナー。これがあるのとないのでは秋冬の生活が変わってしまうぐらい、効果が実感出来るレベルで暖かいです。
水蒸気を吸収して発熱して保温する素材で作られてるのですが、それ以外にも抗菌防臭、吸汗速乾、形状保持、吸放湿、消臭機能まで搭載。
まさに高機能インナーと呼べる優れたアイテムです。
ユニクロの販売戦略のポイント3つ
山口県の小さな街の小売店を、世界のユニクロにまで成長させた販売戦略には大きく3つのポイントがあります。
ユニクロの販売戦略の3つポイント:①コスト・リーダーシップ戦略
1つ目の販売戦略は、「コスト・リーダーシップ戦略」です。コスト・リーダーシップ戦略とは、競合他社よりも原価コストを下げることで価格的な優位性を確保する戦略のこと。
原価コストの低減を実現するために、製造から販売までを一貫して行う製造小売業(SPA Specialty store retailer of Private label Apparel)を採用しました。
世界のファッションの流行や新しい素材をリサーチするR&D(デザイナー/パタンナー)から、商品企画生産を請け負うマーチャンダイジング(商品企画)、素材の開発や調達、生産、技術アドバイス、在庫コントロールからマーケティング、販売までをすべて自社主導で行っています。
今では定番商品となったヒートテックなどの機能性素材の開発は、繊維業界の最大手である東レ株式会社などと協業し糸から開発するなど、徹底した差別化が強みです。
また、素材調達に関しても、高品質な素材を大量に発注することで、コストを抑えることに成功しています。
コストリーダーシップを取りつつも、同業他社とは異なる独自性も実現。さらに、販売状況に応じて柔軟な生産体制を取ることで、コストを抑えつつも品質の良い独自製品をお手頃な価格で販売し、事業拡大につなげてきたのです。
良いものを安く売るというコスト・リーダシップ戦略は製造小売業だからこそできた販売戦略といえるでしょう。
ユニクロの販売戦略の3つポイント:②顧客の声を汲んだ新製品開発戦略
2つ目は、顧客の声を汲んで行う「新製品開発戦略」です。実際にユニクロの商品を使っている顧客の声や要望を、検証したり分析したりしながら、商品の開発や改良を行っています。
その1つの例が「ウルトラライトダウン」です。 雨でも着れる撥水機能の付加や、見た目のスッキリ感を保ちつつ窮屈に感じさせないサイズへの見直し、Vネックにすることで重ね着のしやすさをアップさせるなど、お客さんの声をうまく取り入れています。
「こういう機能が欲しい!」との顧客の声を元に商品を開発することは、カスタマー・クリエーションとも呼ばれるお得意さまを作る施策として有効です。こうした徹底的な顧客目線が、ユニクロを勝ち組に導いたといっても過言ではないでしょう。
顧客の声を生かし、リピーターを増やすことで着実に商品を買ってもらう体制を作るというのも、ユニクロが得意としている販売戦略です。
ユニクロの販売戦略の3つポイント:③ブルー・オーシャン戦略
3つ目は、ブルー・オーシャン戦略です。新しい需要を、売り手側が生み出し提供する戦略です。あったらいいなを売り手側が提供し、新たな市場を造りだすことに成功したのがユニクロです。
たとえば、衣類に保湿機能を付加した「ヒートテック」や、発汗性と防臭性を付加することでサラッとした着心地と臭わないを実現した「シルキードライ」がいい例でしょう。また、ブラの窮屈さやブラのラインが透けることを避けられる「ブラトップ」も多くの女性に支持されています。
このように新たな市場で、顧客に低コストで高い付加価値を提供するブルーオーシャン戦略は、ユニクロの強みとなり、他社との差別化をはかることに成功しています。試してみたくなる新しい付加価値もまた、ユニクロの商品を売れ続けさせる販売戦略の1つです。
ユニクロが海外でも成功できた戦略とは?
近年ユニクロは、海外事業に力を入れている。ここではユニクロが海外事業で実践している経営戦略を説明する。
ユニクロの海外事業における経営戦略:①地域ごとに異なるニーズに応じた商品構成
ユニクロの海外事業で特筆すべき点は、日本で販売している商品をそのまま販売するのではなく、国や地域ごとに異なるニーズに対応して商品販売の構成を変えていること。
例えば、インドにおいてはインド人の普段着である伝統服クルタをインド人デザイナーのリナ・シン氏とコラボして、「クルタ・コレクション」として発売。インド中で注目を集めました。
また、冬でも温暖なロサンゼルスでは、冬でもショートパンツを置くことで店舗あたりの売上アップを実現しています。
日本と海外諸国では、文化や気候、価値観といったあらゆるマーケティングの要素が異なるため、日本と同じ感覚で事業を行うと失敗する可能性が高いのは当然です。
さらにユニクロは、国という視点のみならず、地域ごとの視点で緻密に商品構成を変えていることが、海外でも事業を成功に導くことができた要因といえるでしょう。
ユニクロの海外事業における経営戦略:②旗艦店の出店によるブランド認知度の向上
日本では非常に有名なユニクロが、海外に出店して成功を収められるのは、戦略的な旗艦店の出店が関係しているといえます。
旗艦店とは、ある地域において販売の拠点となるような重要な役割を果たす大型店舗のことであり、ブランドのストーリーや世界観を最大限発揮する上でも効果的です。
ユニクロの海外進出では、まずは主要都市にある大型商業施設に旗艦店を出店するという特徴があります。人が集まる場所で、旗艦店を出店することは話題にもなりやすく、「ユニクロ」というブランドの認知度を現地で急速に拡大させることが可能です。
最初にターゲット地域での認知度を高めてから店舗数を増やすことが、ユニクロが世界でも通用する理由といえるでしょう。
ユニクロが描く今後の経営戦略
ここまで、ユニクロのこれまでの戦略について解説してきました。ここからは、今後の経営戦略についてみていきましょう。
ユニクロが描く今後の経営戦略:①グレーターチャイナを中心とした海外進出の強化
今後ユニクロが狙うのは、中国・台湾・香港からなる「グレーターチャイナ」を中心とした海外進出の強化です。グレーターチャイナや東南アジアでは、今後の経済成長に伴って人口が大幅に増加すると予想されており、ここでの成功は必須といえるでしょう。
ユニクロは、引き続きこれらの経済成長が期待される地域に注力することで、各国の売り上げを現在の2〜3倍以上に伸ばすことを目指しています。
ユニクロが描く今後の経営戦略:②個店経営による高い収益性を重視
個店経営とは、どこのお店も一律に同じ商品構成やサービスを展開するのではなく、出店する地域の特性やニーズによって店のあり方を変える経営のことをいいます。
日本国内でいえば、人口の減少などの影響によって市場が縮小しているのが事実。国内の厳しい事業環境を踏まえて、各地域のニーズに応える「個店経営」の考え方を実践することで、収益性の高いビジネスを展開しようとしています。
地域ごとに顧客のニーズに合う商品を提供することで、小さい市場で最大限の収益獲得を目指す戦略といえるでしょう。
ユニクロのフランチャイズ展開は?
ユニクロ公式ホームページより確認したところ、フランチャイズ店のオーナー募集は現在行っていないようです。
また、ユニクロには社員フランチャイズ(FC)制度と呼ばれる制度があります。社員が独立して会社を作り、ユニクロのフランチャイズオーナーになれる制度で、2002年10月にスタートしました。現在は、6名のフランチャイズオーナーがいます。
また、2019年8月期には43店舗のフランチャイズを展開していましたが、2023年8月期には10店舗となっており、代わりに直営店舗が増加しています。フランチャイズ展開が縮小傾向にあるというのは、地域密着型の小回りの効いた経営を可能にするための動きともいえるでしょう。
ユニクロを装ったフランチャイズビジネス投資勧誘に注意
ユニクロを装った不正サイト又はメールによるフランチャイズビジネス投資勧誘が行われていますので、注意してください。
ユニクロでは、現在、第三者にフランチャイズ権を提供していません。また、フランチャイズの公募もしていません。 このような勧誘は全てユニクロとは無関係の詐欺行為です。
当該投資勧誘は巧妙にユニクロを偽装しており、ユニクロのロゴや写真を使用した偽の契約書、3D見取り図、販売予測、プロジェクトスケジュール、又はその他の資料を用いて演出されている可能性があります。
フランチャイズへの加盟を検討している方は、このような詐欺行為に騙せれないように注意してくださいね。
ユニクロフランチャイズまとめ
今回は国内を代表するアパレルブランド「ユニクロ」について経営戦略の概要や、強み弱み、今後の展望を解説しました。ユニクロは徹底的なコストリーダーシップ戦略と、顧客志向による新製品開発戦略で成功した企業です。
しかし、近年は国内市場の縮小が進んでいるため、グレーターチャイナを中心とした海外進出にも注力しています。
事業の海外進出には困難がつきものですが、ユニクロはこれまで培ってきた顧客志向の商品開発や巧みなブランド戦略を駆使し大きな成功を収めているのは、さすがとしか言いようがありませんね。
今後もユニクロは海外展開に力を入れるとのことであり、ますますの成長が期待されるだろうと予測できます。
そして、ユニクロでは、現在、日本国外において第三者にフランチャイズ権を提供しておらず、また、現在いかなる国においてもフランチャイズの公募はしていないとのことでした。
アパレルブランドのフランチャイズ加盟を考えている方は、ユニクロ以外のブランドを探してみるといいでしょう。
フランチャイズチャンネルでも、ユニクロについて語っている回がありますので、是非ともご覧ください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。今回の記事が参考になりましたら幸いです。
最後に…
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